日本百名山
荒島岳

あらしまだけ

標高 1523.5m

福井県内で唯一、日本百名山に選ばれた山。

泰澄大師によって開かれたともいわれ、古くから信仰の山として崇められている。
大野盆地の南東にそびえ、別名大野富士と呼ばれる独立峰で、山頂からは、
白山や北アルプス連峰の山々を望むことができる。
毎年、新緑や紅葉の時期には、多くの登山者で賑わっている。

登山ガイド

荒島岳への登山は、ブナ原生林が美しく最も人気のある荒島岳のメインコース「勝原(かどはら)コース」、
深田久弥が歩いた百名山ゆかりの「中出(なかんで)コース」、
クラシックコースでもある荒島岳の裏道「佐開(さびらき)コース」、
和泉地区より登る「新しもやまコース」と
趣向の違う4つのコースがある。
どのコースにもそれぞれの特色があり、他のコースでは味わえない魅力がある。

ブナ原生林が美しく大人気!

勝原(かどはら)コース

所要時間 登り3時間30分 下り2時間30分
登り口 旧カドハラスキー場 駐車場あり、トイレあり
交通 北陸自動車道福井ICから車で約1時間10分
東海北陸自動車道白鳥ICから車で約50分
JR越美北線勝原駅から徒歩10分

旧カドハラスキー場の駐車場から、急斜面のゲレンデをひたすら登ると、リフト降り場に到着する。尾根伝いの険しい登山道を進むにしたがい、みごとな樹形のブナの原生林が現れ、その巨木に圧倒される。さらに登って行くと、木組みされた急な階段が連続しており、やがて傾斜が緩くなり、視界が開けシャクナゲ平に出る。ここは小広場があり、中出コースとの合流地点でもある。少し下り、佐開コースからの道と出会う。岩場が多くなると通称「もちがかべ」と呼ばれる滑りやすい急登にかかる。クサリやハシゴの連続を慎重に通過しよう。傾斜が緩くなって、笹原に出ると見晴らしも良くなり、広い頂上にたどり着く。

深田久弥が歩いた百名山ゆかりのコース

中出(なかんで)コース

所要時間 登り3時間40分 下り2時間40分
登り口 中出集落(大野市蕨生) 駐車場あり、
トイレあり
交通 北陸自動車道福井ICから車で約1時間
東海北陸自動車道白鳥ICから車で約1時間

中出の集落から作業道に入る。細くまっすぐな道が続く。舗装道から砂利道になり、中出登山道を示す道標で、左の作業道へと進む。右はテレビ塔への道だ。道がS字に曲がったあたりから登山道に入る。3~4回砂利道の作業道に出るが、その都度道標を確認し登山道を登っていく。杉の植林地の中を進むと、谷状の暗い道が続き、かん木帯、ブナ林と除々に高度を上げていく。右側に荒れた作業道を見て急登となる。気持ちの良い緩やかな尾根の西側を巻いて進み、小荒島岳への分岐点に着く。左側の細い道を1分ほど行けば、小荒島岳の山頂に立つことができる。そこから眺める荒島岳は迫力がある。分岐点まで戻り、シャクナゲ平までは約20分で着く。

荒島岳の「裏道」コース!

佐開(さびらき)コース

所要時間 登り3時間30分 下り2時間30分
登り口 荒島養魚場(大野市佐開) 駐車場なし、
トイレなし
交通 北陸自動車道福井ICから車で約1時間
東海北陸自動車道白鳥ICから車で約1時間10分

養魚場から先の作業道は、土砂崩れなどで車両が通行できない場合が多い。標高850mの登り口からは登山道となり、植樹された杉の中へ入っていく。ネマガリタケの九十九折れの道を進み、その先はコンクリートでできた枕木の階段になっており、登るにつれてだんだんと急になっていく。この辺りは伐採跡地で、直射日光をまともに受け、時間帯によってはつらい所だ。少しずつ傾斜が緩くなり、気持ちの良い樹林帯に入ると、対岸には荒島岳西面の横谷や大ワサビ谷の荒々しい地形が望める。佐開分岐点となり、中出・勝原コースとの合流点に達する。

2012年に誕生したコース

新しもやまコース

所要時間 健脚向け 登り4時間40分 下り3時間10分
登り口 下山池ヶ嶋地区(大野市下山) 駐車場あり
(下山地区集会施設)、トイレなし
交通 東海北陸自動車道白鳥ICから車で約40分

急なのぼりが続く健脚向けコース。途中ロープ等が取り付けられているが滑りやすいため注意が必要である。和泉地区側から登る唯一のコースでもある。

荒島岳の登山口